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*与謝蕪村の「夏」の俳句十選 [#j76ba5ed]
||CENTER:BGCOLOR(#ccffcc):原句|CENTER:読み|h
|1|あちら向に 寝た人ゆかし 春の暮|あちらむきに ねたひとゆかし はるのくれ|
|2|歩き歩き 物おもふ春の ゆくへかな|ありきありき ものおもうはるの ゆくえかな|
|3|池と川と ひとつになりぬ 春の雨|いけとかわと ひとつになりぬ はるのあめ|
|4|公達に 狐化たり 宵の春|きんだちに きつねばけたり よいのはる|
|5|燭の火を 燭にうつすや 春の夕|しょくのひを しょくにうつすや はるのゆう|
|6|春雨や ものがたりゆく 蓑と傘|はるさめや ものがたりゆく みのとかさ|
|7|春雨や ゆるい下駄借す 奈良の宿|はるさめや ゆるいげたかす ならのやど|
|8|春の海 終日のたり のたりかな|はるのうみ ひねもすのたり のたりかな|
|9|ゆく春や おもたき琵琶の 抱ごころ|ゆくはるや おもたきびわの だきごころ|
|10|行春や 逡巡として 遅ざくら|ゆくはるや しゅんじゅんとして おそざくら|
|1|かしこくも 茶店出しけり 夏木立|かしこくも ちゃみせだしけり なつこだち|
|2|河童の 恋する宿や 夏の月|かわたろの こいするやどや なつのつき|
|3|薫風や 恨みなき身の 夏ごろも|くんぷうや うらみなきみの なつごろも|
|4|賊舟を よせぬ御船や 夏の月|ぞくしゅうを よせぬみふねや なつのつき|
|5|堂守の 小草ながめつ 夏の月|どうもりの こぐさながめつ なつのつき|
|6|なつかしき 夏書の墨の 匂ひかな|なつかしき げがきのすみの においかな|
|7|夏河を 越すうれしさよ 手に草履|なつかわを こすうれしさよ てにぞうり|
|8|夏山や 京尽し飛ぶ 鷺ひとつ |なつやまや きょうつくしとぶ さぎひとつ|
|9|はだか身に 神うつりませ 夏神楽|はだかみに かみうつりませ なつかぐら|
|10|行々て ここに行々 夏野かな|ゆきゆきて ここにゆくゆく なつのかな|
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